幸せは追いかけるものではなく、『選ぶもの』


支え合いの中で見つけた自分らしい生き方


幼少期から海外で暮らし、多様な文化や現実に触れてきた彼女。


心が揺れ、苦しみを抱えた日々もあった中で、

その経験こそが「誰かを助けたい」「自分らしく生きたい」という思いの根幹となりました。



「幸せは追うものではなく、毎日選ぶもの」


この言葉が彼女の生き方を変え、支援する心と自己肯定感を深くつなげました。


このインタビューを通じて、その思考と選択が、どのように『支援している自分を好きになる』姿に

形を変えていったのかをご紹介します。




今の活動をするきっかけ


幼少期の経験やボランティア活動を通じて、
現在の支援活動へどのように繋がってきたのでしょうか?


私は幼少期からメンタルヘルスの課題と向き合ってきました。



周囲の理解が追いつかない孤独な日々もあったけれど、

自分と同じように苦しんでいる人に寄り添いたい、



心から助けたいという気持ちはずっと変わらず胸の奥にありました。



学校運営やホームレス支援、スポーツインストラクターとしてのボランティアなど、
いろいろな形で誰かのために動く経験を重ねる中で、



「支え合うこと」の意味と、自分の居場所が少しずつ見えてきた感じがします。





活動の軸となる思い・価値観



「助けたい」「救いたい」という強い想いは、どこから来ていますか?
その背景にある価値観を教えてください。



私がこの思いと出会ったのは、自分が苦しかった経験を通じてです。


心が折れそうになること、自分の存在に価値を感じられずにいたこともありました。


でもその経験があるからこそ、同じ苦しみを抱える人たちに「一人じゃないよ」と伝えられる。


幼少期に母から言われた言葉、


「人は一人では立てない、支え合って生きるんだよ」というその一言が、


私の人生の軸になっています。


誰かの痛みに共感し、自分ができる形で支えることが、

自分自身の存在を肯定することにつながるんだと思っています。

 



挫折と選択の経験



日本に帰国した経験や高校時代の怪我は大きな挫折と変化の
タイミングだったと思います。それらからどんな学びを得たのでしょうか?



13歳で、約9年ぶりに日本へ戻りました。


カナダと全く違う言語と文化に戸惑い、日本語も話せず友達もできず、初めの半年間は孤独でした。



例自分がゼロから始めるしかない現実は、すごく怖かったです。



さらに高校では、スポーツ中に脳震盪になり、3ヶ月も学校を休まなくてはいけませんでした。

いつも自分の中心にあった「スポーツを楽しむ自分」が、突然奪われた気持ちでした。



でも、その体験が「自分とは何か」「幸せとは何か」を深く問い直す契機になりました。



スポーツ心理学者を志すようになったのも、「心の支えがあることの意味を人にも伝えたい」と思ったからです。




気づき:「幸せは選ぶもの」



「幸せは追いかけるものではなく、選ぶもの」と気づいたきっかけは何でしたか?


私はずっと「幸せとは目標を達成すること」だと思っていました。



タイで2ヶ月間滞在した時に出会った子どもたちは、小さなことでも笑顔になる。


その姿に、自分の中で大きな変化が起こりました。



たとえば、日本で当たり前に思っていたものが、環境によってはそうではないことも多く、

それでも喜びを感じる子どもたちを見ると、


「今ここにある幸せ」に気づく力が深まるような実感があったんです。



だからこそ今は、「次じゃなくて、ここにある幸せを選ぶ」ことに

意味があると思えるようになりました。



選びなおすことで、心が少し軽くなる感じがします。



自己承認と行動の関係



「自分を好きになれない人」は何をきっかけに、
自分を好きになる方向へ行動を変えていけると思いますか?


自己否定している人の多くは、「今の自分では価値がない」と思い込み、

行動も変えていないことが多いと思います。



でも、まずは「小さな行動を変えてみる」ことがとても大事だと思います。



たとえば、誰かに優しい言葉をかける、一緒に笑う、話を聞く。

そういう些細な行為を一日一回でも自分から始めることで、

「自分にもできることがある」と感じられるようになります。



私自身も、「誰かを助けたい」と思った瞬間から少しずつ自分を認められるようになり、

自己肯定感が育っていきました。



自分が小さな行動を選ぶことで、自分への信頼が生まれていきます。




コミュニティ/社会観とその可能性



コミュニティづくりにおいて感じている意義や、日本社会に
期待している変化はどんな点ですか?



私たちが築いているコミュニティは、ただ情報を共有する場ではなく、

「知恵を出し合ってより良くしていく場」だと感じています。



だからこそメンバー一人ひとりが主体性を持って関わることが大切です。



日本では少子高齢化や人口減少が進む中で、

“人と人の輪を広げていくこと”が社会に希望を届ける力になると信じています。



支え合う文化が広がれば、「人は一人では立てない」という言葉がしっかり

機能する社会が再び生まれると思います。



今後の展望と活動の方向性



これから個人として、またAqua Cycleとして、どのような未来を描いていますか?


個人としては、書き続けて本を出版したり、TEDなどでのスピーカーとして発信していきたいです。


どれだけ少数でも、自分の言葉が誰かの支えになるなら、それが私にとっての幸せです。



Aqua Cycleでは、メンバーが日常の中で工夫し合いながら支え合えるコミュニティを育てていきたい。


若い世代が中心となって、「日本のこれから」を自分たちの力で創っていく場にしていきたいと思います。



行動とつながりの中で、誰もが自分を好きになれる場所を一緒につくっていく。


それが、私のこれからの目標です。

 

まとめ

支え合うとは、誰かのためだけではなく、自分自身を肯定する行為でもあります。



彼女が歩んできた道は、小さな選択と優しさ、そして「幸せを選ぶ」という

意識の積み重ねによって築かれてきました。




支援を通じて自分を好きになる、その選択の積み重ねが、今日も誰かの心を潤し、

自分自身の心を満たしていきます。




Aqua Cycleが届けたい「支援している自分を好きになる場」として、

このお話が読者の皆さんの心に優しい気づきを届けられますように。