AquaCycle Media
過去と共に生き、今を照らす。
「人を支えることが、自分を好きになる道につながっていた」
そんな実感を胸に音楽活動を続ける彼の人生には、深い闇と小さな光が折り重なっていた。
精神的な苦悩や自己否定、支援するという選択。
そして、母に向けて作った一曲が、彼の生き方を大きく変えていった。
音楽はただの表現ではなく、自己受容の道具となり、誰かの心を照らす手段にもなった。
このインタビューでは、"与える"という行為に込めた想いと、
そこから見えた自分自身との関係性を深く掘り下げる。
Aqua Cycleが届けたい"心の渇きを潤す一歩"を、彼の言葉から感じてほしい。
音楽という選択肢がくれたもの
今、中心となっている活動は音楽とのことですが、それを選んだきっかけは
何だったのでしょうか?
もともと音楽って、自分の感情をぶつけるための場所だったんです。
誰かに届けようとか、支えになろうとか、
そんな高尚な想いじゃなくて、
正直、自分の苦しさを吐き出す場所だったんですよね。
でも、あるとき、自分の歌を聴いてくれた人から「その曲で前を向けた」って言われたんです。
その瞬間に、自分の痛みをただぶつけているだけの音楽が、
人の心に寄り添う可能性があるんだって、初めて気づきました。
それからですね、音楽が僕の“生きる理由”から、“生かされる理由”に変わっていったのは。
その中でも、特に印象深い“誰かのため”に作った楽曲はありますか?
やっぱり、母に向けて書いた曲が一番大きいです。
母は今も健在なんですが、「もしも明日いなくなったら」という想像のもとで書いた曲でした。
書きながら、涙が止まらなくて……。 この歌を作って気づいたんですよ。
「いつかは本当にこの日が来るから、今もっと伝えなきゃいけない」って。
そこから、母に言葉で「ありがとう」とか「愛してるよ」と伝えるようになりました。
最初は恥ずかしかったけど、回数を重ねるごとに自然になってきて。
それができたのは、間違いなくこの歌のおかげです。
“与える”ことが自分に返ってきた
音楽を通じて誰かに“与える”という行為が、自分自身には
どんな影響を与えてきましたか?
最初は、自分のことしか見えてなかったんですよ。
でも、「与える」ことを重ねていく中で、自分の心が少しずつ軽くなっていったんです。
誰かが僕の曲に救われたって言ってくれるたびに、僕も少しだけ自分を肯定できるようになった。
それまでの僕は、どこかで「自分には価値がない」と思ってたから。
でも、小さな行動でも、誰かの心に届くって実感することで、
「自分も誰かの役に立てるんだ」って思えるようになってきたんです。
ご自身が“支援している自分”を好きになれたのは、どういう瞬間でしたか?
支援って言葉にすると大きく聞こえるけど、僕にとっては
“誰かに何かを伝える”ことだったんですよね。
たとえば、ライブのあとに「この曲で泣いた」「明日、もう一日頑張ってみる」
と言ってもらえることがあって。
そう言われると、僕も「今日の自分、悪くなかったな」って思えるんです。
それが積み重なっていくうちに、「支援している自分」っていうより、
「そうやって人とつながれる自分」を少しずつ肯定できるようになっていった気がします。
闇の中で見えたもの
過去に精神的な苦しみや孤独を抱えた経験があると伺いました。
どのような時期だったのでしょうか?
早い段階で精神疾患を患って、日常生活すらままならない時期がありました。
働けない、お金もない、誰にも頼れない。 お酒に逃げるしかなかったときもありました。
自分の存在価値がゼロだと思ってたし、「なんで自分だけ」っていう気持ちでいっぱいでした。
何日も何ヶ月も、ただただ息をしてるだけの時間が続いて……。
もう、このまま終わるんだなって、そう思ってた時期があるんです。
今思えば、よく戻ってこれたなって。
その状態からどうやって抜け出せたのでしょう?
きっかけは、自分の内側に向き合うようになったこと。
誰かに救われたっていうより、「もうこのままじゃダメだ」って、自分で腹を括った感じです。
音楽も、その中で自分を支えてくれた大きな存在でした。
痛みを歌にすることで、少しずつだけど
“痛みの中に意味がある”って思えるようになったんですよね。
その感覚が、自分を少しずつ外に連れ出してくれた。
それが、結局自分を好きになることに繋がっている気がします。
過去ではなく“今”を生きるという選択
「今を共に生きる」というメッセージが、音楽活動の核に
なっているそうですね。
僕自身、ずっと過去の後悔に囚われていたからこそ、今を生きることの大切さを伝えたいんです。
曲の中にもよく出てくるテーマなんですけど、
「過去は消えないけど、今の行動で変えていける」って信じてる。
ライブでも「耳を澄まして聴いてほしい」と思ってるんですよね。
何気なく流れる歌詞の中に、自分の気持ちが重なることってあると思うから。
「今を生きる」ことが難しい人に、どんな言葉をかけたいですか?
過去の罪悪感って、消えるものじゃないと思う。
でも、それを持ったままでも、歩き出すことはできるんですよね。
だから、「一緒に歩こうよ」って言いたい。
僕の音楽も、そのための伴奏みたいなもの。 今を生きられない時期があってもいい。
でも、いつかその曲を聴いて、
「もう一度、歩いてみようかな」って思ってもらえたら、それだけでいいんです。
社会とつながる、想像力と支援の関係
想像力や共感が、音楽や支援にどんな影響を与えていると感じますか?
想像力って、支援の根幹だと思ってて。
「この人、どんな気持ちなんやろう」って思えたとき、行動が変わるんですよね。
僕の曲も、聴く人によって受け取り方が違う。
だからこそ、余白を残すことを意識してます。
“未完成の美”というか、聴いた人が自分なりに想像できるような。
支援する人が“支援される人”になる社会を、どう思いますか?
大切だと思います。
「誰かを支える」って、すごくエネルギーのいることだから。
支援者もまた、誰かに支えられていいんです。
だから、Aqua Cycleみたいなコミュニティの存在って、めちゃくちゃ意義があると思ってます。
照らされるべき人たちを照らすには、まず照らす側があたたかさで満たされていないと、
続けられないから。
これから目指したい未来
これから個人として、そしてAqua Cycleの一員として、
どんな未来を描いていますか?
音楽を通じて、もっと人と人とをつなげていきたい。
ただ曲を出すだけじゃなくて、その背景や想いも一緒に届けて、
誰かの“明日”を少しだけ軽くできたらいいなって思ってます。
将来的には、ライブだけじゃなく、言葉や対話の場づくりもしていきたい。
TEDxとか、自分の思いをまっすぐ伝えられる場所で話す機会も目指したいと思ってます。
Aqua Cycleという場に対して、今後どんな役割を担っていきたいですか?
「支援する人が、自分のことも大切にできる場所」って、すごく貴重だと思うんです。
僕自身、活動を通じてそれを感じられたから、今度はそれを伝えていく側になりたい。
支援の中心にあるのは、やっぱり“心”なんですよね。
だからこそ、優しさやつながりを真ん中に置いて、安心して話せる場所をつくっていきたいです。
まとめ
支援とは、他人のための行動でありながら、自分を受け入れる道でもある。
音楽を通じて“与える”ことを選び続けた彼の言葉から、私たちは気づかされる。
「過去を抱えながら、今を共に歩いていくこと」
Aqua Cycleが届けたい“支援している自分を好きになる”感覚。
その一歩を、この言葉から感じ取っていただけたら嬉しい。
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